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日本の金融政策は、深刻なジレンマに直面していることになる。
サブプライムローンの破綻問題は、まだ最終段階に至ったとは考えられない。
住宅価格の下落がさらに破綻を促進するから、今後も問題は続くだろう。
したがって、今後同じような問題が繰り返し起こる可能性がある。
また、別の原因によって欧米の金利が低下しても、急激な円高と株価の下落という問題が生じる。
そうだとすると、日本の異常な金融政策は、いつになっても正常化できないことになる。
金融緩和が継続されると、円高のリスクが常につきまとう。
経済活動を沈滞させるだろう。
そうなれば、物価は上昇するが経済活動は沈滞するという状態に陥りかねない。
過去10年以上の異常な金融政策の継続によって、日本は金融を正常化しようとしてもできない状態に追い込まれている。
日本の金融政策は、きわめて困難な問題を抱えていると考えざるをえない。
これまでN本銀行は、消費者物価と関連づけて金融緩和政策を正当化してきた。
今後の物価上昇によってその条件が崩れるのは、間違いない。
したがって、日銀が今後も金融緩和を継続するとすれば、その理由づけを説得的に示す必要に迫られるだろう。
また、金融政策と物価動向がいかに関連しているかのメカニズムについても、あらためて議論が生じるだろう。
これまでの金融緩和は、はっきりとそう説明されていたわけではないが、次のような理解に基づいて行なわれていた。
すなわち、「デフレ」と呼ばれる現象が生じており、企業収益を圧迫し、経済活動を停滞させている。
そこで、金融を緩和することにより、デフレ状態から脱却する必要がある。
次の二点を前提とした考えだ。
第一に、物価が下落を続けると、経済活動が活発化しない。
第二に、物価動向は金融政策によって影響を受ける。
つまり、物価下落の原因は不適切な金融政策であり、金融政策を適正化することにより、それから脱却できる。
現実に生じたことは、この理解とは異なるものであった。
すなわち、第一に、10年以上の長期にわたって超金融緩和を継続したにもかかわらず(「量的緩和政策」の導入は2001年3月だが、それ以前から金利は1%台になっている)、物価下落は継続した。
つまり、金融緩和は物価下落を阻止することはできなかった。
第二に、原油価格の上昇など、日本の金融政策とはまったく無関係な要因によって生活必需品の価格が上昇し始めた。
したがって、これまでの金融緩和は、物価動向に関する限り無意味だったということになる。
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